蚊・ダニ媒介感染症とは、人が野外作業や農作業、レジャー等で蚊やダニの生息場所に立ち入り、病原体を保有する蚊やダニに刺されることによって起こる感染症のことです。
蚊による感染症の主なものは、日本脳炎、デング熱、ジカウイルス感染症(ジカ熱)などがあります。
ダニによる感染症は、国内では日本紅斑熱やつつがむし病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などが知られています。
蚊・ダニの種類
コガタアカイエカ
体長4.5ミリメートルほどで、灰褐色~赤褐色。口吻の中央に幅広い白帯がある。日本全国で見られ、水田などから発生する。日本脳炎ウイルスを媒介する。
ヒトスジシマカ
体長4.5ミリメートルほどで、黒い体に白い縞がある。林の中の溜まった水で繁殖する。近年は公園や民家の水たまりでも繁殖する。デング熱やジカ熱のウイルスを媒介する。
マダニ
硬い外皮に覆われた比較的大型のダニで、主に森林や草地等の野外に生息している。ダニ媒介脳炎、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、回帰熱、日本紅斑熱、ライム病等を媒介する。
ツツガムシ
体長0.2ミリメートルのダニの一種。肉眼で見分けることは難しい。野山や河川に生息する。卵から孵化した後の幼虫期に動物に吸着する。0.1%~3%が菌を持ち、菌を持ったツツガムシに吸着されると感染する。
蚊・ダニ媒介感染症の対策
蚊・ダニが感染症を媒介することから、「蚊を発生させない対策」、「蚊に刺されない対策」「ダニにかまれない対策」が重要です。
1.蚊をできるだけ発生させない
●幼虫が発生しやすい水たまりの除去・清掃する(雨ざらしの用具、雨除けのブルーシートや古タイヤにたまった水たまり、植木鉢の皿、屋外に放置された空きビン・缶、ペットボトルなど)
●下草を刈るなど、成虫が潜む場所をなくす
2.蚊にさされない・ダニにかまれない
●肌の露出を少なくする (長袖・長ズボンを着用する、足を完全に覆う靴を履く、サンダルなどは避ける)
●草むらに入る時は注意する
●明るい色の服を着る
●虫除け剤を使用する
●ペットの虫よけにも注意する
●蚊媒介感染症の流行地域に渡航する場合は、現地で蚊に刺されないように注意する
●体調不良の動物等と接する機会がある場合は、手袋等つけて触れる
●野外活動後は入浴し、ダニに咬まれていないか、首、耳、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏などに注意する
3.ダニにかまれたら
●ダニにかまれた場合は、無理に引き抜こうとせずに皮膚科等で処置をしてもらう
●マダニにかまれた後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は、医療機関を受診する
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