- 北杜市村山六ヶ村堰ウォーターファーム
- 1 北杜市村山六ヶ村堰ウォーターファーム構成施設
- 2 使用水系(水路)
- 3 経過年表
- 4 事業の特徴
- 5 施設概要
- 6 施設視察(要予約)について
- 7 関連ページ
北杜市村山六ヶ村堰ウォーターファーム
北杜市は、南アルプス国立公園、秩父多摩甲斐国立公園及び八ヶ岳中信高原国定公園にまたがる地域で市域の約73.2%が森林であり、その山々を源とする水資源が豊富で、かつ急峻な地形なため小水力発電に適した地域です。
北杜市村山六ヶ村堰ウォーターファーム(水のエネルギーを収穫する農場)は、疎水百選に選定されている村山六ヶ村堰上に4つの小水力発電所を整備した、地球温暖化問題及びエネルギー問題に寄与する取り組みです。
北杜市では、小水力発電の導入可能性のある地域にとって積極的に取り組むことが必要なイニシアティブであると考え、北杜市村山六ヶ村堰水力発電所(出力320kW)を市単独で導入し、平成19年4月から運営しています。
その導入、運営の経験を基に、新たな地点開発では「導入加速化」をテーマに「民間活力を最大限活用した官民パートナーシップ+面的開発」の導入加速化パッケージにより、3箇所の小水力発電所(総出力650kW)の計画から完成までを2年間で実現することができました。
エネルギー転換の気運の高まる中、本プロジェクトが、小水力発電の導入加速化・拡大の一助となれば幸いです。
プロジェクトの特徴
- 官民パートナーシップによる共同導入!
- 同一水系を面的に開発(4発電所)!
- 小水力発電導入加速化の先進モデル!
- ウォータファーム総出力合計970kW、年間推定発電量は7,000MWh!
- 発生電力は、北杜市世帯の10%相当分!
1 北杜市村山六ヶ村堰ウォーターファーム構成施設
NO. | 発電所名称 | 出力 | 運営者 | 運転開始 |
---|---|---|---|---|
1 | 北杜西沢発電所 | 220KW | 三峰川電力 | 平成24年4月 |
2 | 北杜市村山六ヶ村堰水力発電所 | 320KW | 北杜市 | 平成19年4月 |
3 | 北杜川小石発電所 | 230KW | 三峰川電力 | 平成24年4月 |
4 | 北杜蔵原発電所 | 200KW | 三峰川電力 | 平成24年4月 |
計 | 970KW |
2 使用水系(水路)
村山六ヶ村堰(管理者;村山六ヶ村堰土地改良区)
村山六ヶ村堰は、川俣川東沢及び西沢から取水し、16km余りの水利区間で農地への灌漑と生活用水に利用(受益面積 約480ha)されている農林水産省の疎水百選にも選定されている歴史ある農業用水路です。
(参考)
- 疎水名鑑(農林水産省)
http://www.inakajin.or.jp/sosui/ - 水土里の路(みち)ウォーキング
http://www.maff.go.jp/j/nousin/sekkei/midori/m_walk/course3/040mur/index.html
3 経過年表
- 平成19年4月
市営 北杜市村山六ヶ村堰水力発電所 運転開始 - 平成22年8月
NEPC地域新エネルギー等導入促進事業社会システム枠に北杜市と三峰川電力が共同申請した3案件(西沢、川子石、蔵原発電所)が採択、設計 - 平成23年6月
北杜西沢・北杜川子石・北杜蔵原発電所 建設 - 平成23年12月
環境省「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞 - 平成24年2月
北杜西沢・北杜川子石・北杜蔵原発電所 竣工 - 平成24年4月
北杜西沢・北杜川子石・北杜蔵原発電所 運転開始
※NEPC・・・一般社団法人新エネルギー導入促進協議会
4 事業の特徴
官民パートナーシップによる共同導入(北杜西沢・北杜川子石・北杜蔵原発電所)
地方公共団体が直接、小水力発電所を整備する場合には需要先の施設、設備容量、電力の利用形態、維持管理体制、税金投入の妥当性など課題も多く、導入に至るまで時間を要するケースが多く存在します。なかでも、水力発電の適地は山間部に多いことから地方公共団体の自家消費を基本とした小水力開発においては、公共施設などの需要施設が同一敷地内に存在しないなどの理由から開発が進まないケースが存在します。
また、地域への依存度合いの大きい小水力発電事業において、民間事業者が単独導入する場合には地元との共生関係の構築が必要不可欠でありますが、導入地域にとって馴染みのない民間事業者が導入地域の気運醸成や合意形成を円滑に図ることは容易ではなく、大きな課題と言われています。
そこで本プロジェクトでは、小水力発電事業を展開している三峰川電力株式会社とパートナーシップにより、三峰川電力の持つ技術・経営能力により事業性、採算性を確保し、北杜市は、環境施策に位置付け、地域理解の促進、許認可取得等を全面的にサポートすることで双方の課題克服を図り、平成22~23年度の2年間で3つの発電所の導入に成功しました。
三峰川電力株式会社のご紹介
三峰川電力株式会社(丸紅株式会社100%出資)は、約50年間の水力発電の建設・運転・保守管理という技術的能力及び経営能力を有しており、長野県南部の三峰川発電所において小水力発電事業を積極的に推進し、特徴的な2つの小水力発電所を開発するなど先進的な取り組みを実施している企業です。
平成21年12月には、小水力発電への取り組みが資源エネルギー庁主催の新エネルギー大賞において財団会長賞を受賞されています。
同一水系を面的に開発
小水力発電の適地においては、山間地に単発的に建設するだけではなく、水系を面的に開発することが有効な開発方法です。小規模であっても面的に複数地点開発することで、より大きな存在になり、一定の地域の電力を賄うことも可能になります。
北杜市村山六ヶ村堰ウォーターファームは、970kW(4発電所の出力合計)で年間約7,000MWhの電気が作り出され、約3,885tのCO2削減効果が期待できます。
また、小水力発電の普及を促進するためには小規模発電所においても経済性の向上が必要であり、面的な開発により建設期間の短縮、工事費の縮減、メンテナンスの効率化によるコスト縮減を図ることが可能となりました。
5 施設概要
北杜西沢発電所
- 所在地 北杜市大泉町西井出字石堂地内
- 運営 三峰川電力株式会社
- 認可出力 220kW
- 発電形式 水路流込式
- 有効落差 48.3m
- 水圧管路延長 565m
- 水圧管種類・口径 FRPM・φ800
- 最大使用水量 0.58m3/s
- 発電機形式 三相誘導発電機
- 水車形式 横軸フランシス水車
- 発電機電圧 440V
- 運転開始 平成24年4月
- 年間発電推定量 1,600MWh
- CO2削減効果 約672t
発生電力利用場所 売電
※本施設は、地域新エネルギー等導入促進事業社会システム枠を活用し、北杜市及び三峰川電力株式会社が共同で導入した施設です。
北杜市六ヶ村堰水力発電所
- 所在地 北杜市高根町長澤地内
- 運営 北杜市
- 認可出力 320kW
- 発電形式 水路流込式
- 有効落差 77.5m
- 水圧管路延長 1,270m
- 水圧管種類・口径 FRPM・φ600
- 最大使用水量 0.5m3/s
- 発電機形式 三相誘導発電機
- 水車形式 横軸フランシス水車
- 発電機電圧 6600V
- 運転開始 平成19年4月
- 年間推定発電量 2,400MWh
- CO2削減効果 約1,008t
発生電力利用場所 峡北地域広域水道企業団 大門浄水場
※本施設は、平成18年度NEDO中小水力事業を活用して北杜市が単独で導入した施設です。
北杜川子石発電所
- 所在地 北杜市高根町長澤地内
- 運営 三峰川電力株式会社
- 認可出力 230kW
- 発電形式 水路流込式
- 有効落差 58.1m
- 水圧管路延長 1,077m
- 水圧管種類・口径 FRPM・φ800
- 最大使用水量 0.5m3/s
- 発電機形式 三相誘導発電機
- 水車形式 横軸フランシス水車
- 発電機電圧 440V
- 運転開始 平成24年4月
- 年間発電推定量 1,600MWh
- CO2削減効果 約672t
発生電力利用場所 売電
※本施設は、地域新エネルギー等導入促進事業社会システム枠を活用し、北杜市及び三峰川電力株式会社が共同で導入した施設です。
北杜蔵原発電所
- 所在地 北杜市高根町蔵原地内
- 運営 三峰川電力株式会社
- 認可出力 200kW
- 発電形式 水路流込式
- 有効落差 46.6m
- 水圧管路延長 943m
- 水圧管種類・口径 FRPM・φ800
- 最大使用水量 0.55m3/s
- 発電機形式 三相誘導発電機
- 水車形式 横軸フランシス水車
- 発電機電圧 440V
- 運転開始 平成24年4月
- 年間発電推定量 1,400MWh
- CO2削減効果 約588t
発生電力利用場所 売電
※本施設は、地域新エネルギー等導入促進事業社会システム枠を活用し、北杜市及び三峰川電力株式会社が共同で導入した施設です。
6 施設視察(要予約)について
- 視察施設:北杜市村山六ヶ村堰水力発電所、北杜川子石発電所、北杜西沢発電所
- 所要時間:2時間30分程度(各発電所間の移動時間含む)
- 費用:無料
申し込み方法
視察・見学の申込は三峰川電力株式会社のホームページよりお願いします。
三峰川電力株式会社
http://www.mibuden.com/
TEL:0265-98-2027
FAX:0265-98-2759