令和6年8月26日、令和6年第3回北杜市議会定例会にて、所信表明をしました。
市長所信
令和6年第3回北杜市議会定例会の開会に当たり、私の市政の運営に対する所信の一端を申し述べますとともに、提出いたしました案件について、その概要を御説明申し上げ、議員各位、並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
フランス共和国で開催されました「パリ2024オリンピック」では、過去最多数となるメダルを獲得するなど、日本人選手が大活躍しました。
世界一の高みを目指すという意味においては、本市も世界に向けて挑戦を始めておりますので、大変心強い励みとなりました。
全ての選手の不断の努力と競技での奮闘に、心から敬意を表し拍手を送りたいと思います。
- 今夏の自然災害の発生状況と防災の取組
今月7日の夜、本市に大雨洪水警報及び、土砂災害警戒情報が発表されました。
市内においては、八ヶ岳南麓や増富地域の山沿いを中心に大雨となり、市では、増富出張所と大泉総合支所にそれぞれ避難所を開設し、増富出張所には一世帯4人の方が避難されました。
この雨による被害としては、市道及び法定外道路が47箇所、農地及び農業用施設が18箇所、林道が6箇所あり、現在、復旧済みが41箇所、現在対応中が7箇所、今後対応予定が20箇所、その他の対応等が5箇所となっております。
これからの時期は台風シーズンとなりますので、市でも緊張感をもって、万全の体制で備えてまいります。
今月8日に宮崎県日向灘で発生しましたマグニチュード7.1の地震を受け、気象庁は、南海トラフ地震の想定震源域では大規模地震が発生する可能性が普段と比べて高まっているとして「南海トラフ地震臨時情報 巨大地震注意」を、初めて発表しました。
市では、翌9日に「災害対策本部」を設置し、市民への対応や職員体制について確認しました。
市民の皆様には、「北杜ほっとメール」やホームページ、SNSを通じて、地震への備えに関する注意喚起を促すとともに、観光客の皆様については、市内の指定避難所を確認していただくため、「北杜市観光協会」や「北杜市商工会」の御協力の下、宿泊を伴う観光客の皆様が多く訪れる施設を中心に、約60箇所にハザードマップを配布し、掲示していただきました。
また、園児や児童生徒については、市内の保育園や小中学校を通じて、保護者の皆様にも注意喚起を図ったところであります。
職員体制については、自宅待機等により速やかに参集できるよう指示し、「北杜市消防団」においては、消防団員に今回の臨時情報を周知し、災害が発生した際には、防災活動に努めていただくよう要請しました。
幸いにも、地震臨時情報は今月15日に解除となりましたが、南海トラフ地震は今後30年間で約70から80パーセントの確率で発生すると言われておりますので、いつ何時起こるか分からない地震に対し、市民の皆様におかれましても、備蓄や避難場所、連絡方法の確認など「日ごろの備え」をよろしくお願いいたします。
- 熱中症対策
今年の夏は、災害級の危険な暑さが続き、「熱中症警戒アラート」が連日発令されるなど、市民の健康が危惧されたところであります。
市では、先月16日に、「株式会社クスリのサンロード」様と、今月20日に、「ウェルシア薬局株式会社」様と、それぞれ「気候変動適応法に基づく指定暑熱避難施設に係る協定」を締結し、熱中症予防のための「指定暑熱避難施設」、いわゆる「クーリングシェルター」として、市内の3店舗を指定するとともに、市においても総合支所や生涯学習施設等の9施設を指定しました。
依然として、残暑が続いておりますので、市民の皆様におかれましては、熱中症対策として「クーリングシェルター」の積極的な御活用をお願いいたします。
- 市長選挙への立候補
さて、本年6月に、11月の市長選に立候補することを表明しました。
一期目となる、この約4年間、市民や事業者の皆様と共に数々の施策を進めてまいりました。
子育て支援、産業創出、行政改革を政策の柱に据え、市民の皆様の生活を豊かにするための数多くの取組を行ってまいりましたが、ようやく施策の成果が芽生えたばかりであり、実を結ぶまでには、まだ道半ばであります。
市民の皆様が、本当に幸せと豊かさを実感できる持続可能なまちを実現するためには、更なる継続的な取組が必要であると感じ、出馬を決断した次第であります。
具体的には、主要施策であります、更なる子育て支援や子育て拠点施設の整備、インバウンド誘客、企業誘致の促進、輸出の強化、庁舎建設、中学校の統廃合などが、大きな課題として残されております。
直面する課題でありますが、旧八ヶ岳リゾートアウトレットモールの跡地活用に関しては、事業者の破綻後、1年という短期間で、高級会員制リゾートホテルの誘致に成功したところであります。
現在、ホテル建設に向けて、来月中には各種許認可が整いつつある状況であり、10月には着工する予定と伺っております。
今後、ホテルの完成までの間、市としても円滑な事業執行ができるよう協力するとともに、八ヶ岳南麓地域のブランディングによる活性化を進めていかなければならない大事な時期であります。
この企業誘致を好機と捉え、付加価値の高い観光地づくりを進めてまいりたいと考えております。
また、本市の最大の課題であります少子化に歯止めをかけるため、さらに思い切った子育て支援策を講じる必要があると考え、来年4月から第1子の保育料を無償化することを目指し、現在検討を進めております。
これにより、保育料が完全に無償化されることとなり、本年度の学校給食費や保育園の副食費の恒常的な無償化に続き、子育て世帯の経済的不安が少しでも解消され、子どもを産み、育てやすい環境を整えてまいりたいと考えております。
市民の健康づくりに関しても、本年度から、65歳以上の市民を対象に、生活習慣病の改善を目的とした事業への参加者にポイントを付与し、一定ポイント取得者の「がん検診」を無償化とする「健康づくり増進事業」を実施しておりますが、併せて、「がん」による死亡率が最も高い40歳から64歳までを対象とした「がん検診」の無償化を、来年度から実施できるよう、現在検討を進めているところであります。
こうした、市民生活や地域経済に直結する主要な施策を、一貫した考えの下、取り組み続けていくことが重要と考えております。
一方、行政改革の主たる取組であります財政健全化については、市長就任以来、ふるさと納税の増加や市債の発行抑制等により、約161億円の改善につなげ、市の財政基盤を固めることができました。
この成果は、皆様の御理解と御協力があってこそ達成できた成果であり、今後も持続可能な財政運営を続けていくことが必要であります。
地方自治体の首長の任期である4年という限られた期間は、自治体の将来の道筋を付け、理想とするまちづくりを実現するには、あまりにも短い期間であります。
このため、じっくりと腰を据えた施策の継続こそが北杜市の未来を築くための鍵であると確信しております。
市民一人一人の声に耳を傾け、その声を市政に反映させることが私の使命であります。
市民の皆様が安心して暮らせる、誇りに思えるまちを作るため、これからも全力で取り組んでまいります。
新たな4年間においても、市民や事業者の皆様と共に歩み、より良い未来を築くために粉骨砕身の気持ちで尽力いたします。
議員各位におかれましても、本定例会が任期最後の議会となります。
議員各位には、本市発展のため、格別の御指導と御支援を賜りましたこと、改めて深く感謝申し上げます。
今後、ますますの御健勝と御活躍を衷心より御祈念申し上げます。
- 市民の受賞
本年5月イギリスのロンドンで開催されました革靴づくりの世界大会で、大泉町の菱沼乾様が優勝いたしました。
技術の素晴らしさだけでなく、完成度、難易度、デザイン、美しさの審査基準で高得点を獲得し、史上最年少で優勝されました。
菱沼様の御活躍は、日々の努力の賜物であり、心から敬意とお祝いを申し上げます。
また、この夏も子ども達の活躍について、嬉しい報告がありました。
今月7日、「第56回交通安全こども自転車全国大会」の団体の部において、「高根東小学校自転車クラブ」が、山梨県代表として出場し、5位入賞となりました。
今月18日には、「第41回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」において、甲陵高等学校2年生の前橋真子様が第2位となりました。
どちらも全国大会という大舞台において、優秀な成績を収めたことに感心するとともに、今後の御活躍を期待しております。
- 御寄附
本年6月、神奈川県藤沢市在住で増富地区出身の有井勇次様から、増富地区の観光振興に役立ててほしいと、50万円の御寄附をいただきました。
この御寄附につきましては、「みずがき湖ビジターセンター」の観光案内看板の改修に活用させていただく予定であります。
- 物価高騰対策等
第2弾となります「北杜市くらし応援商品券」については、先週から各御家庭への配布が始まりました。
市民の皆様には、積極的に商品券を活用していただき、日常生活だけでなく、地域経済にも波及するよう期待しております。
物価・エネルギー価格の高騰の影響は、長期間にわたっていることから、市では、今回、市内の畜産農家等や介護・障害福祉事業所の皆様を支援するため、本定例会に所要の経費を計上いたしました。
畜産農家等への支援では、配合飼料価格の高騰により、市内畜産農家等の飼料費負担が増加したことから、市では、令和4年度から昨年度にかけて、飼料購入費に対し補助を行ってまいりましたが、本年度に入っても、引き続き飼料価格が高止まりしていることから、飼料費負担の急増を緩和するため、これまでの肉用牛及び乳用牛のほか、新たに馬を加えて、継続して補助を行ってまいります。
また、介護・障害福祉事業所への支援については、物価・エネルギー価格の高騰による食材料費や燃料費の増額を、価格に転嫁することができないことから、支援金を支給してまいります。
事業者の皆様の経営の安定化を図り、生産やサービスの提供体制の確保につなげてまいります。
一方、近年インターネットを中心とした買い物が増えている中、本年4月に自動車運転業務の長時間労働の改善に向け、時間外労働の上限規制が適用されたことから、物流の停滞が危惧されております。
また、配達時に受け取りができず「再配達」になってしまうと、交通量が増え、排出される二酸化炭素の排出量も増えてしまいます。
こうした中、県では本年度に入り、再配達削減のための宅配ボックスの購入に対する市町村向けの補助制度を創設したことを受け、本市においても市民の皆様が購入する宅配ボックスの購入費用の補助を行うべく、本定例会に所要の経費を計上したところであります。
市民の皆様にもこの制度を活用していただき、ドライバーの負担軽減や、環境負担削減に御協力していただければと考えております。
- 市政の状況
岸田首相の本市訪問
6月29日に岸田文雄内閣総理大臣が、須玉町江草地内にある、「株式会社アグリサイト」様を訪問され、「スマート農業」の取組について視察されました。
その際に、岸田首相から、農業分野におけるロボットやAIなどの最先端技術の活用に向けた、新たな支援制度を創設する予定であるとの発言がありました。
本市でも、本年度から「スマートアグリ推進事業」として、農業生産の効率化・低コスト化のための機械等の整備に対する補助制度を創設しております。
今後、国や県の動向を注視しながら、本市の基幹産業である農業を次世代へ継承するため、スマート農業の推進に取り組んでまいります。
クマの出没の状況と対策
本年度は例年と比べ、山梨県内におけるツキノワグマの目撃情報が増加しており、先月には身延町において、人身被害が発生しております。
現時点、市内での被害報告はありませんが、目撃情報が寄せられた際には、都度「防災無線」と「くらしねっと」による市民への注意喚起や、庁内各部署、学校、保育園などへの情報提供を行い、対応をお願いしております。
特に、本年6月頃から白州町内での目撃が増加したため、市及び北杜警察署でパトロールを強化しているほか、ワナを6基設置し、クマの捕獲に向けた対応を実施しております。
併せて、クマの動向を把握するため、試験的に監視カメラの設置も行ったところであります。
この結果、今月20日に白州町鳥原地内に設置したワナでクマ1頭を捕獲し、専門家の指導の下、適正に対処したところであります。
その他、市民の皆様への注意喚起としては、先月、クマに関する諸注意を記載したチラシを全世帯に配布するとともに、先週には、白州・武川地域の全戸に、目撃件数や注意事項等を記載したチラシを配布して、注意喚起を再度実施いたしました。
市民の皆様におかれましては、クマと遭遇しないために、屋外での活動において鈴などの音を鳴らす、犬の散歩には必ずリードを付ける、ごみや食べ物は持ち帰るなど、改めて対策をお願いいたします。
能登半島地震被災地への職員派遣
環境省から被災自治体の損壊建物等の公費解体に伴う受付業務や自費解体の相談・申請等の支援業務についての支援依頼があったことから、先月7日から14日まで、15日から22日までの2回に分けて、市職員を2名ずつ能登半島地震の被災地であります石川県珠洲市に派遣しました。
また、発災直後より支援しておりますトイレトレーラーについては、現在「珠洲市ボランティアセンター」にて利用されておりますが、利用期間について再度延長要請がありましたので、本年10月末まで延長することといたしました。
今後も、市として可能な限り被災地の復興支援に協力してまいりたいと考えております。
高校生議会
先月26日に、市内の高校から18名の生徒が参加する中、「高校生議会」を開催いたしました。
高校生議員からは、身近な課題に限らず、高校生とは思えないような鋭い質問があるなど、今の高校生の行政に対する意識の高さが伺えました。
少子高齢化が進む中、若い世代の皆様の御意見は今後の市の未来を築いていく上で、欠かせないものでありますので、引き続き、真摯に耳を傾けてまいりたいと考えております。
ウクライナの子ども達の訪問
今月6日に、「北杜市明野サンフラワーフェス実行委員会」や、「北杜ライオンズクラブ」様等の御協力により、ウクライナから首都圏に避難している子ども達30人とその保護者等37人が、「明野サンフラワーフェス2024」のメイン会場を訪れ、満開のひまわり畑の散策を楽しんでいただきました。
市の花とウクライナの国の花がヒマワリという縁もあり、今回の来訪が実現したものであります。
満開のひまわりを見た子ども達の笑顔も多く見る中で、母国でヒマワリを見ることができる平和な日が、一日でも早く訪れるよう願うところであります。
市制施行20周年記念事業
本年11月1日に、市制施行20周年の節目を迎えることから、全庁を挙げて各種記念事業を展開しているところであります。
10月1日には、「市制施行20周年記念式典」を開催し、市に関わりの深い方々からのお祝いメッセージを放映するなど、市民の皆様とともに、20周年を祝い、盛り上げてまいります。
また、昨年度、姉妹都市であります大韓民国京畿道抱川市が市制施行20周年を迎え、関連イベントに招待していただきましたので、本年度は、本市の市制施行20周年記念式典に合わせて、ペク・ヨンヒョン抱川市長を始めとする抱川市文化交流団をお迎えいたします。
「浅川伯教・巧兄弟資料館」の企画展を御覧いただくほか、市制施行記念式典では、「抱川市立民族芸術団」による伝統芸能を披露していただく予定であります。
その他の記念事業としては、市制施行20年のこれまでの歩みと、次の20年に臨む機運を高めるため、市の魅力や情勢などを盛り込んだ「記念誌」を作成し、記念式典において参加者の方々にお配りするとともに、市民の皆様には10月下旬に全戸配布することとしております。
9月22日には、峡北地区の野球スポーツ少年団員を対象に、元プロ野球選手による野球教室の開催を予定しております。
野球少年の憧れでもある元プロ野球選手から直接指導を受けることで、野球に対し一層興味関心を深めていただきたいと思います。
10月16日には、本年度の第1回「未来創造オープンカレッジ」として、山梨県立北杜高等学校を会場に、本市出身で北杜高校の卒業生でもあります音楽プロデューサーのCarlos K.様を講師に迎え「地方から始まるグローバルな旅」をテーマに御講演いただく予定であります。
未来を担う多くの若者が「未来創造オープンカレッジ」を通じて、地域への誇りと愛着を持っていただければと期待しております。
10月27日には、20周年記念事業として市が協賛しております「テレビ山梨」様の特別番組「やまなし偉人伝 浅川伯教・巧」が放送予定であります。
放送後もインターネットでの配信も予定されており、また、「浅川伯教・巧兄弟資料館」での視聴も可能となることから、多くの市民の皆様に番組を御覧いただけるよう周知するとともに、今後も、番組を活用した取組も行ってまいります。
12月6日及び7日には、「株式会社アルソア慧央グループ」様の「女神の森 セントラルガーデン」を会場に、「第26回米・食味分析鑑定コンクール国際大会in北杜」を開催いたします。
「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」は、日本の農業の核である「米づくり」を守ることで、地球環境保全につなげることを目的に開催するもので、本市でもこれまで、この大会を目指して、市内生産者の方の生産技術や意識の向上に取り組んでまいりましたので、市内産のお米が入賞することを期待するとともに、農産物を始めとする地域全体のブランド力を高め、先人達から受け継がれた財産をしっかりと次の世代につなげてまいりたいと考えております。
また、期間中は市外から多くの方が本市を訪れますので、御来訪の皆様向けの企画を用意し、開催地として心からのおもてなしでお迎えすべく準備を進めてまいります。
南アルプスユネスコエコパーク登録10周年記念事業
南アルプスエリアが、ユネスコエコパークエリアの認定を受けてから、本年6月に登録10周年を迎えました。
市では、エコパークの理念を具現化する活動の一環として、エリア内における「近自然工法」による登山道整備を積極的に実施しておりますが、更なる登山道の保全と活用の好循環を目指し、「一般社団法人北杜山守隊」及び「日本山岳歩道協会」との共催による「第2回日本山岳保全サミットin山梨県北杜市」を今月24日から本日26日までの3日間にわたり開催しております。
シンポジウムでは、台湾で先進的に登山道の整備に取り組んでいる「台湾千里歩道協会」のシュ・ミンチェン様を台湾からお招きし、基調講演として保全活動や人材育成プログラムについてのお話をいただいたほか、日本各地で山岳保全に取り組まれている「日本山岳歩道協会」のメンバーによるパネルディスカッションでは、保全活動の課題や展望などの意見が交わされ、今後の山岳保全の在り方について北杜から全国に向けて発信する有意義なイベントとなりました。
また、甲斐駒ヶ岳の山頂における登山客へのユネスコエコパークのPRを目的として、山頂標識のリニューアルについても、長野県伊那市様と共同で進めております。
観光産業の高付加化価値化
本市では、これまでも「世界を魅了するまち」を目指し、地域観光資源を磨き上げ、外国人もターゲットとした観光地づくりを推進しているところであります。
この度、観光庁の「地域が一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」に本市が採択されました。
この事業は、国のインバウンド需要の拡大と、地域・産業の稼ぐ力の強化を図り、また宿泊施設、観光施設などの高付加価値化と観光DXの推進を図る事業となっており、今回、本市の取組が承認されるとともに、申請段階で市内11事業者14事業が採択されたものであります。
主な補助内容は、宿泊施設等が実施する高付加価値化に向けた施設改修や観光DXの推進に補助金が交付されることとなっており、こうした国の事業も積極的に活用することで、エリア全体が世界から喜ばれる観光地となること目指してまいります。
小学生を対象としたICT教育のモデル授業
市では、包括連携協定を締結している「株式会社NEWGREEN」様との連携事業の一環として、自動抑草ロボットの「アイガモロボ」等を活用したモデル授業を、昨年度武川小学校において初めて実施したところでありますが、本年度は新たに高根西小学校においても授業を実施いたしました。
授業では、「アイガモロボ」の小型機に、児童がプログラミングを設定し、実際に水田において稼働を確認しました。
この授業を通じて、有機農業やスマート農業、さらにICTの活用による社会問題を解決する喜びや楽しさを学ぶ機会となったと考えております。
国際交流事業
本年8月に予定しておりました中学生のケンタッキー州マディソン郡訪問については、受入れ側の「マディソン郡国際交流委員会」から、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、ホームステイ先やボランティアが不足し、受入れが困難であるとして延期の申し出があったことから、来年度に延期することといたしました。
一方、10月3日から11日の9日間、市内団体からの推薦者や一般公募などで構成する本市の代表団が、姉妹地域でありますケンタッキー州マディソン郡、ベリア市及びリッチモンド市を訪問する予定であります。
現地において、友好関係を深めていただき、その経験を各種団体等の取組に活かされることを期待しております。
大学との新たな連携協定締結
先月14日に、「慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所」様と連携協定を締結いたしました。
「システムデザイン・マネジメント研究所」様の先進的、専門的な知見を活かして、地球温暖化防止や脱炭素への取組と、市民や本市を訪れる方が幸せになる、未来社会の共創に向けた技術革新が生まれることを目的に、シンポジウムやセミナーなどの開催、マイクロモビリティ等を活用した社会実験などに協力して取り組んでまいります。
本年度は、11月に予定しております「北杜市子ども環境フェスタ」に参加していただく予定であります。
女性起業セミナー
本年度、市では、若年女性人口の減少対策のため、「自分らしく生きる」女性のための応援プログラムを開催することとしており、今月11日に第1回となるフォーラムを開催いたしました。
今回の企画は、県内に本社を置く「株式会社アミューズ」様に女性の起業や働き方を相談したことがきっかけで実現したものであります。
当日は、事業のプロデュースを務める安川幸男様による講演のほか、市内女性経営者との座談会を行いました。
今後、起業や就職を希望する方へのアドバイスや相談を受け付けるセミナーを2回開催し、少しでも多くの女性が自分らしく働くことができ、市内への定住につながるよう期待するところであります。
インバウンド誘客及び輸出の強化等の取組
はじめに、台湾での自転車イベントへの招待についてであります。
昨年7月、私自ら台湾第二の都市・台中市に赴き、「観光友好交流の促進に関する協定」を締結したところでありますが、この度、台中市からの招請により、来月上旬に開催される「台中自転車カーニバル」等へ、本市職員を派遣することといたしました。
この機会を活かし、台中市と連携して台湾向けに観光及び物産関連の情報発信を行うとともに、台中市政府観光旅遊局幹部の来訪に向けた協議を行い、交流関係の強化を図ってまいります。
併せて、台湾の旅行会社に対してツアー造成を働き掛け、インバウンド観光の促進にも取り組んでまいります。
次に、台湾での物産展についてであります。
昨年7月に、本市の魅力のPRと、市内事業者の台湾での販売機会の創出及び販路拡大を目的に、台中市の高級スーパー「裕毛屋」で「北杜市物産展」を開催いたしました。
また、昨年10月には裕毛屋の社長様の本市訪問に合わせて、市内事業者から商品を募り、台湾への輸出につながるよう、「北杜市商工会」主催の商談会を開催いたしました。
このような継続的な取組が「裕毛屋」様から高い評価をいただき、本年も台湾で「北杜市物産展」を行うこととなりました。
今回は、昨年を上回る17社から出品していただき、来月13日から3日間、開催してまいります。
この物産展をきっかけに、市内事業者の商品の台湾での継続的な販売と、取扱い量の増加につながることを期待しております。
次に、タイ王国の国立チュラロンコン大学関係者の来訪についてであります。
本年5月に、市職員をタイに派遣し、タイの最高学府であります「チュラロンコン大学」のビジネス・スクールに働き掛けを行った結果、10月上旬に大学院の教員等に本市を訪問していただくこととなりました。
この訪問は、来年度、日本で3日間にわたって実施する50人規模の宿泊研修候補地の事前調査を目的に訪問されます。
タイの政財界に強い影響力を有する「チュラロンコン大学」との関係強化に積極的に取り組むことにより、タイにおける本市の更なる認知度の向上に努めてまいります。
八ヶ岳 グランヴェール ヴィンヤード」グランドオープン
令和4年から「株式会社city farm」様が、「旧フィオーレ小淵沢」の土地・建物を活用して、既存の建物を醸造施設として改修しておりましたが、来月12日に「八ヶ岳 グランヴェール ヴィンヤード」としてグランドオープンすることとなりました。
南アルプスを望む絶好のロケーションの中で、ワインのテイスティングや、醸造工程の見学などもできる施設として、多くの方が訪れることを期待しております。
JR日野春駅と小淵沢駅の120周年記念イベント
JR中央本線の韮崎駅から富士見駅間が開通して本年12月に120周年を迎えることから、「JR東日本」様による記念イベントが開催されております。
先月には、日野春駅開業120周年を記念した、「駅からハイキング」が開催され、多くの方が参加されました。
10月5日には、小淵沢駅開業120周年を記念し、小淵沢駅前広場、交流スペースを中心にイベントの開催が計画されております。
イベントでは、記念セレモニーを始め、ミニコンサートや地産品の販売などが予定されており、市においても、「JR東日本」様と連携した中で、市制施行20周年と併せてイベントを盛り上げてまいりたいと考えております。
全国過疎問題シンポジウム
総務省及び「全国過疎問題シンポジウム実行委員会」が主催する「全国過疎問題シンポジウム2024inやまなし」が10月24日から25日までの2日間にかけて開催されます。
今回で35回目となるこのシンポジウムは、全国の過疎地域での様々な優れた取組に触れ、参加者相互の交流を深めることを目的としており、24日には「YCC県民文化ホール」で全体会を、25日には「須玉ふれあい館」において分科会の開催と、「サントリー天然水南アルプス白州工場」や「台ヶ原宿」の現地視察が予定されております。
このシンポジウムを通じて、本市をPRするとともに、本市の取組を広く県内外に周知してまいりたいと考えております。
八ヶ岳スケートセンターの整備
「東京2020オリンピック」に続き、今回の「パリ2024オリンピック」のスケートボード競技においても、日本人選手が大活躍したことは、記憶に新しいところでありますが、現在、「八ヶ岳スケートセンター」、愛称「FOLKWOOD SKATE PARK 八ヶ岳」では、関東最大級のスケートボードができる施設として、本年10月末の完成を目指して整備を進めております。
11月にはオープニングセレモニーを予定しており、将来、北杜市からメダリストが輩出されることを大いに期待するところであります。
このシンポジウムを通じて、本市をPRするとともに、本市の取組を広く県内外に周知してまいりたいと考えております。
日本遺産デジタルスタンプラリー事業
「史跡梅之木遺跡」を始めとする市内の縄文文化が、平成30年度に日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」として認定されてから6年が経過し、先日、文化庁による定期的な総括評価で認定継続となったところであります。
これを機に、さらに本市の縄文文化の情報発信及び観光活用を図るべく、文化庁の「日本遺産魅力増進事業」を活用し、11月から「日本遺産デジタルスタンプラリー事業」を実施するため、本定例会に所要の経費を計上したところであります。
観光客の皆様に市内の構成文化財等を巡っていただくことで、本市の縄文文化を知っていただくとともに、滞在時間が増えることで、地域経済への波及効果も期待するところであります。