神代から人々の信仰を集める 五丈石をいただく奥秩父の王者
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古くから甲州御嶽山といわれ、奈良県吉野の金峰山から「蔵王権現」を勧請したことに始まるとされ、山頂にそびえ立つ五丈石を本宮としています。
遠く山麓からも見えるこの岩は、神代に 国造りにあたった少彦名命(スクナヒコナノミコト)が鎮座するとされています。
また、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征に際してこの山に登り、五丈石の下に社殿をつくったという伝説もあり、古くから霊山として信仰の対象になってきました。
山自体を御神体とした金櫻神社は山麓に「里宮」、山頂には「奥宮」があります。
山梨県側、長野県側に複数の登山口、ルートがある金峰山。北杜市側からも瑞牆山荘を起点としたルートがあります。
瑞牆山荘から富士見平小屋までは瑞牆山の登頂ルートと同じ。
富士見平小屋正面で瑞牆山方面への道を左に見送り、針葉樹林帯の中を飯森山の山頂を右に巻くように登っていきます。その先に今では避難小屋となった大日小屋に着きます。
ここにはテントを張れるようなスペース(テン場)があり、近くに水場もあります。
大日小屋から針葉樹林帯の中を30分ほど登ると左手に大日岩が見えてきます。大日岩の基部は、八丁平方面を示す案内板とベンチが設置されており休憩にピッタリの平坦地です。
巨大な大日岩のピークまで登ることは困難ですが、そのわずか下までは上ることが可能で、そこから金峰山の全景を眺めることができます。
また、反対側には瑞牆山があり、その先には悠々と連なる八ヶ岳が見えます。
大日岩を後にし、砂払ノ頭を抜けると、いよいよこのルートの核心部である千代ノ吹上です。
千代ノ吹上の右手側は崖状に深く切れ落ちており、荒々しい岩陵が美しい景観を作っています。
千代ノ吹上から複数の小ピークが金峰山山頂まで続き、崖のすぐ脇を通過していきます。
ここは登山地図によっては危険マークがつけられていますが、登山道の幅は十分です。注意は必要ですが、無理なく歩けます。
小ピークを左にトラバースして登っていくと、金峰山山頂にある五丈石が大きく見えてきます。
金峰山山頂と五丈石との鞍部は平坦地となっており、絶景スポットとして多くの登山者で賑わいます。
山頂からは360度の展望があり、百名山の瑞牆山の岩稜の先には八ヶ岳がそびえ、遠くに南アルプス、富士山などの眺望を楽しむことができます。
Course Data コースデータ
- コースタイム
- 合計:約7時間50分登り 約4時間20分 下り 約3時間30分
- 登山口・山頂の標高差
- 1,089m
- グレード
- 4C
- 登山適期
- 5月中旬~10月中旬
- 積雪期
- 11月下旬~3月下旬
- 残雪期
- 4月~5月下旬
- マイカー
- 中央自動車道須玉ICから県道 23号線(増富ラジウムライン)を利用し、増富温泉峡を通過して瑞牆山荘北側駐車場へ(無料40台)ICから約35分
- 公共交通機関
- JR中央本線韮埼駅から山梨峡北交通の瑞牆山荘行バスで終点の瑞牆山荘まで(約1時間10分)
Course Map コースマップ/行程
- 山梨 山のグレーティングとは?
-
グレーディングの内容や使い方などくわしくは山梨県庁のホームページをご確認ください。
体力度
コースタイム、ルート全長、累積登り標高差、累積下り標高差の4つの数値から、次の式により「ルート定数」を算出し、1~10の10段階で評価しています。
ルート定数=コースタイム(時間)×1.8+ルート全長(km)×0.3+累積登り標高差(km)×10.0+累積下り標高差(km)×0.6技術的難易度
登山道の状況や、登山者に求められる技術・能力により、A~Eの5段階で評価しています。
技術的難易度 登山道の状況 求められる技術・能力 A★ - 概ね整備済
- 転んだ場合でも転落・滑落の可能性は低い。
- 道迷いの心配は少ない。
- 登山の装備が必要
B★★ - 沢、崖、場所により雪渓などを通過
- 急な登下降がある。
- 道が分かりにくい所がある。
- 転んだ場合に転落・滑落事故につながる場所がある。
- 登山経驗が必要
- 地図読み能力があることが望ましい。
C★★★ - ハシゴ・くさり場、また、場所により雪や渡渉箇所がある。
- ミスをすると転落・滑落などの事故となる場所がある。
- 案内標識が不十分な箇所も含まれる。
- 地図読み能カ、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要
D★★★★ - 厳しい岩機や不安定なガレ場、ハシゴくさり場、藪漕ぎを必要とする箇所、場所により雪渓や薄渉箇所がある。
- 手を使う急な登下降がある。
- ハシゴ・くさり場や案内標識などの人工的な補助は限定的で、転落・滑落の危険簡所が多い。
- 地図読み能力、岩場、雪漢を安定して通過できるパランス能力や技術が必要
- ルートファインディンダの技術が必要
E★★★★★ - 緊張を強いられる厳しい岩積の登下降が続き、転落・滑落の危険箇所が連続する。
- 深い藪漕ぎを必要とする箇所が連続する場合がある
- 地図読み能力、岩場、雪渓を安定して通過できるパランス能力や技術が必要
- ルートファインディングの技術、高度な判断力が必要
- 登山者によってはロープを使わないと危険な場所もある。